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研究内容

戸田 研究室

ショウジョウバエを用いて睡眠の謎に迫ります

 すべての動物は、睡眠すると考えられています。すべての動物に普遍的に存在する生命現象ですから、何かとても大切な機能を果たしているはずです。しかし、その答えはいまだ出ていません。
では、睡眠を調節するメカニズムはどのようなものがあるのでしょうか。睡眠はタイミングを決定する体内時計のシステムとどのくらい睡眠をとるのかを決定する恒常性のシステムによって調節されています。体内時計の分子メカニズムはショウジョウバエを用いたパイオニア研究から様々な遺伝子が同定され、それぞれがどのように相互作用をして細胞内ではたらいているのかが、明らかになりました。2017年度のノーベル生理学・医学賞は3人のショウジョウバエ研究者に贈られました。
一方で、睡眠の恒常性のメカニズムはよく理解されていません。そこで、私たちはショウジョウバエを用いて睡眠制御の分子基盤を解き明かしたいと考えています。

 ショウジョウバエは100年を超える歴史のあるモデル生物で、発生、免疫、行動など様々な生物学の分野に用いられてきました。約20年前にショウジョウバエも睡眠様の行動をとることが示され、定量的に睡眠の計測がなされるようになって以来、米欧の研究室を中心に睡眠に異常をきたす多くの変異体が同定されてきました。その結果、ショウジョウバエにも哺乳類の睡眠に関わる脳内物質(トランスミッタ)が保存されていることが明らかになり、分子レベルで我々のような哺乳類と無脊椎動物のショウジョウバエが非常に似ている仕組みを使って睡眠をコントロールしていることが明らかになりました。しかしながら、睡眠の仕組みをりかいできたとは到底言えないというのが現状です。
 そこで、私たちの研究室では、遺伝学的操作に優れ、行動スクリーニングが利用できるショウジョウバエを最大限活用し、分子レベルで睡眠制御の全貌を明らかにしようと試みています。

プロジェクト

新規睡眠誘引因子Nemuriの作用機序の解明

睡眠は動物に普遍的に存在する生命現象ですが、その機能は明らかになっていません。睡眠中には脳機能に重要な役割を果たしている、あるいは免疫機能に重要な役割を果たしている、研究者によっていうことはまちまちです。確かにまた、睡眠の制御メカニズム、特に分子メカニズムは不明なままです。動物は感染などのストレスを受けると睡眠を強く引き起こします。どのような因子が睡眠誘引因子として働いているのでしょうか?その答えを探るため、ショウジョウバエを用いて獲得型スクリーン(遺伝子を一つ一つ強制的に発現させる)を行いました。12,000系統以上をスクリーンした結果、1系統だけ非常に強く睡眠を誘発する遺伝子を同定することに成功しました。この遺伝子は新規の遺伝子で「nemuri」と名付けました。Nemuriは抗菌性ペプチドで、細菌感染後の生存を助けることを明らかにしました。nemuriを欠損させたハエでは、細菌感染後におこる睡眠が大幅に減少することがわかりました(Science. 2019 Toda et.al)。今後はNemuriの分子メカニズムを追うことで、ストレス性睡眠のメカニズムに迫りたいと考えています。また、ストレス性睡眠に重要な神経ネットワークの解明をすることで、免疫系と脳神経系の関連性を睡眠という観点から解き明かしていきたいと考えています。

論文リスト

Short and long sleeping mutants reveal links between sleep and macroautophagy.

Joseph L Bedont*, Hirofumi Toda*, Mi Shi*, Christine H Park, Christine Quake, Carly Stein, Anna Kolesnik, Amita Sehgal(*equal contribution)

eLife 10 2021年6月4日

A sleep-inducing gene, nemuri, links sleep and immune function in Drosophila. 
Toda H, Williams JA, Gulledge M, Sehgal A
Science 1(362) 509-515 2019年2月

Genetic Mechanisms Underlying Sleep. 
Toda H, Shi M, Williams JA, Sehgal A
Cold Spring Harb Symp Quant Biol. 83 57-61 2018年

The Drosophila Female Aphrodisiac Pheromone Activates ppk23(+) Sensory Neurons to Elicit Male Courtship Behavior 
Hirofumi Toda, Xiaoliang Zhao, Barry J. Dickson
CELL REPORTS 1(6) 599-607 2012年6月

Unc-51/ATG1 Controls Axonal and Dendritic Development via Kinesin-Mediated Vesicle Transport in the Drosophila Brain 
Hiroaki Mochizuki, Hirofumi Toda, Mai Ando, Mitsuhiko Kurusu, Toshifumi Tomoda, Katsuo Furukubo-Tokunaga
PLOS ONE 6(5) 2011年5月

Unc-51 Controls Active Zone Density and Protein Composition by Downregulating ERK Signaling 
Yogesh P. Wairkar, Hirofumi Toda, Hiroaki Mochizuki, Katsuo Furukubo-Tokunaga, Toshifumi Tomoda, Aaron DiAntonio
JOURNAL OF NEUROSCIENCE 29(2) 517-528 2009年1月

Nuclear DISC1 regulates CRE-mediated gene transcription and sleep homeostasis in the fruit fly 
N. Sawamura, T. Ando, Y. Maruyama, M. Fujimuro, H. Mochizuki, K. Honjo, M. Shimoda, H. Toda, T. Sawamura-Yamamoto, L. A. Makuch, A. Hayashi, K. Ishizuka, N. G. Cascella, A. Kamiya, N. Ishida, T. Tomoda, T. Hai, K. Furukubo-Tokunaga, A. Sawa
MOLECULAR PSYCHIATRY 13(12) 1138-1148 2008年12月

UNC-51/ATG1 kinase regulates axonal transport by mediating motor-cargo assembly 
Hirofumi Toda, Hiroaki Mochizuki, Rafael Flores, Rebecca Josowitz, Tatiana B. Krasieva, Vickie J. LaMorte, Emiko Suzuki, Joseph G. Gindhart, Katsuo Furukubo-Tokunaga, Toshifumi Tomoda
GENES & DEVELOPMENT 22(23) 3292-3307 2008年12月

​MISC

UNC-51 regulates axon/dendrite patterning and polarized protein trafficking in Drosophila 
Hiroaki Machizuki, Hirofumi Toda, Toshifumi Tomoda, Katsuo Furukubo-Tokunaga
NEUROSCIENCE RESEARCH 61 S160-S160 2008年

Overexpression of DISC1 impairs associative learning and arousal in Drosophila 
Y. Maruyama, T. Ando, K. Honjo, M. Shimoda, H. Mochizuki, H. Toda, A. Kamiya, N. Ishida, T. Tomoda, A. Sawa, K. Furukubo-Takunaga
NEUROSCIENCE RESEARCH 58 S123-S123 2007年

UNC-51 regulates axonal and dendritic patterning in the Drosophila brain 
Hiroaki Mochizuki, Hirofumi Toda, Toshifumi Tomoda, Katsuo Furukubo-Tokunaga
NEUROSCIENCE RESEARCH 58 S87-S87 2007年

Overexpression of disrupted-in-Schizophrenia-1 [DISC1] impairs associative learning in Drosophila 
Tetsuya Ando, Yuya Kawanaka, Minoru Saito, Hiroaki Mochizuki, Ken Honjo, Hirofumi Toda, Toshifumi Tomoda, Akira Sawa, Katsuo Furukubo-Tokunaga
NEUROSCIENCE RESEARCH 55 S255-S255 2006年

The conserved Ser/Thr kinase UNC51 functions with UNC-76 to regulate axonal transport in Drosophila 
Hiroaki Mochizuki, Hirofumi Toda, Emiko Suzuki, Joseph Gindhart, Toshifumi Tomoda, Katsuo Furukubo-Tokunaga
NEUROSCIENCE RESEARCH 55 S216-S216 2006年

競争的資金・助成金

  1. さきがけ (代表)2022年~

  2. 基盤研究(A) (分担)2022年~

  3. 変革(B) (代表)2021年~

  4. 基盤研究(B) (代表) 2020年~

  5. 挑戦的研究(萌芽) (代表)2020年~

  6. ​民間企業からの助成金、その他

プロジェクト

Post-doc

Takahiro Suzuki

Lab Tech

Yuki Takayanagi

Satomi Yamamoto

2024年4月現在

メンバー紹介

PI

Hirofumi Toda

2019年度より、筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構にて研究室を立ち上げる機会に恵まれました。

思いもよらない発見の背景には、時間と根気が要することが多いと実感しました。これまで頑張ってこられたのも、同級生、友人、先輩、上司、同僚の多くの方から叱咤激励を頂けたからです。面白い研究を皆さんと楽しめる環境にしていきたいと思います。

Secretory

Chieko Nishihira

Guest Researcher

Suguru Nishinami

メンバー紹介

研究員、補助員、学生の方々の募集をしております。

​研究員の募集

遺伝学、生化学、電気生理学、イメージング、物理、工学など様々なバックグラウンドを持った人を歓迎します。研究室に所属してどのようなプロジェクトを遂行したいか、分野の論文を読み、2~3プロジェクトの提案書と共に履歴書を添えて応募して下さい。

​研究補助員の募集

学部を出たばかりで大学院に行く前に研究室で実験補助員として働いてみたいという方から、過去に研究補助員として働いたことがある経験のある方まで、補助員を募集いたします。過去の経験は問いません。新たなことを学ぶ意欲とやる気があれば、歓迎します。

パートタイムの募集

ハエのうえつぎ、簡単な試薬調製、実験器具の洗浄、エサ作りなどをして下さる学生パートタイマーの方を募集いたします。しっかりと取り組んで頂ける方であれば、経験は問いません。

大学院生の募集

行動学に興味のある大学院生を募集します。生命科学から工学、物理学にいたるまで様々な背景を持った学生さんを募集します。それぞれの学生の興味に合わせて議論をし、研究テーマを決めましょう。戸田研はショウジョウバエを用いた遺伝学が得意技ですが、生化学、行動学、分子生物学、イメージングなど色々な手法を取り入れて、研究を進めていきたいと考えています。

学類生の募集

学類(学部)生で研究活動に興味がある方、前向きな気持ちがある方であれば歓迎します。

Recruitment

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